それはちょっと
「もうこの話は終わりにしようか?

お昼休みが終わっちゃうよ」

彼はこれ以上、話を続けたくないようだった。

「…そうですか」

私が返事をしたことを確認すると、部長は背中を見せた。

「部長」

小会議室を出て行こうとする部長の腕をつかむと、自分の方へと振り向かせた。

「――ッ…」

その唇に自分の唇を重ねると、私は小会議室を後にした。

「――何をやっているんだ、私は…」

1度はともかくとして、2度も自分から部長にキスをするなんて…。

それほどまでに、私は部長に恋をしているんだと思った。

でも、部長にまだ自分の気持ちを伝えていない。

それどころか、彼とこれから先をどうしたいのかも考えていない。

私は一体、何がしたいのだろうか?
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