それはちょっと
Kiss10*バラよりも美しい、素敵な人生を
12月24日――クリスマスイヴのその日、私は自宅で料理を作っていた。

「よし、これでいいかな」

テーブルのうえに並べられている料理を見ながら私は言った。

じゃがいもとマカロニのグラタンにミートソースのパスタ、シーザーサラダ、ローストビーフにいちごのケーキと並んでいた。

ちなみにケーキとローストビーフは買ったもので、後は自分で作ったものだ。

「何だかんで結構持ったな」

そう呟くと、テーブルの真ん中に置いてあるガラスの花びんに私は視線を向けた。

そこに活けられているのは、部長が誕生日プレゼントにくれた白いバラだ。

99本もあったバラは枯れたり、弱ったりと少しずつ数が減ってしまったため、残っているのは数本だけとなった。
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