三日月 ~キミの瞳にうつるのは ~
「うん。今さっきね。

ねぇ、どうして私はここにいるの?」


私はいくらだってあなたが苦しまなくてもよい道を選ぶだろう。


「あ、それは……「なんか、背中がいたいんだよね~。

なんでだろう?

なぜか、記憶の一部がカケているようなそんな気がするの……」


彼があまりにも悲しい顔をするから

カケルの言葉を遮ってしまった。



彼はその話をしたくないに決まっている。


私はまだ、眠っていた方が良かったのだろうか?



「あっ、それより、私っていつから入院してるの?」



できるだけ、わざとらしくないように話題をそらす。


「あっ、えーと2日前からかな?」


「へー、じゃあ私は丸一日も寝ていたんだね。」


明るく、いつもの軽い口調で言った。


彼のいつもの笑顔が見て安心したいから。









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