天神の系譜の奇妙なオムニバス
言うや否や。

「うお!」

沖田は詰め寄り、切っ先をリュートの鼻先に掠めさせる!

正確には、リュートが寸前で身を退いて掠めるにとどまらせたのだが。

沖田の剣は止まらない。

掠めた剣が切り返され、再びリュートを襲う!

二撃、三撃!

リュートはこれを、斬撃の軌道を予測しながら反射的に回避する。

が、止まらない、止まない。

吹き荒れる狂嵐の如く、沖田の剣は吹き荒ぶ!

「何だお前の剣術!風紀取り締まりでここまでやんのかよ!死ぬぞ!」

「僕の生まれた星は、ずっと紛争が続いてましてね、この惑星の『バクマツ』っていう時代によく似ているんです。今も争いが絶えない」

愛刀を振るいながら、沖田が言う。

「だけど、その割に武具の発達が遅くて、いまだに剣や槍でエイヤアってやるしか知らないんです。だから、こちらの惑星に留学して、武器…特に銃火器の勉強をしようと思って、天神学園に来たんです」

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