天神の系譜の奇妙なオムニバス
両者は一旦距離を置く。

「…そんな事言うの止せ。天神学園で、そんな勉強しに来たなんて言うな」

「…何故です?」

小首を傾げる沖田。

「天神学園では、武道や武術の勉強もできるって聞きましたよ?」

「ああ、それは俺も聞いてる。けどな」

リュートは歯噛みする。

「それは心身を鍛える為だ。何かを守る為だ。戦争する為に、この学園は強くなる勉強をさせてる訳じゃねぇ筈だ」

「…言ってる事が分かりませんねえ」

困ったように苦笑いを浮かべる沖田。

「僕の剣術も、君のその無手術も、誰かに勝つ為に覚えたんでしょう?」

「違う。グリフィノー拳闘術は、護る為の技だ」

「護ってばかりじゃ勝てませんよ?」

「護れりゃ勝つ必要はねぇ」

「詭弁ですね」

「護るものを護り通したら、殺す必要はねぇだろう」

「殺しておかないと!」

沖田は一足飛びに距離を詰めた!

「また襲ってこられたらどうするんです?」

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