天神の系譜の奇妙なオムニバス
侍女からの報せを聞いて、自室から飛び出してくる蒲公英。

長いドレスの裾ももどかしく、離宮の長い廊下を走った蒲公英は。

「あ!」

階段の下に見える我が子の姿に居ても立ってもいられず、駆け下りて、躓いて、宙を舞って。

「だからそんな長ぇドレスやめろって言っただろ」

簡単にリュートにキャッチされた。

「うわあああああああああん!リューきゅうううううううううん!」

「誰がリューきゅんだ」

首にしがみ付いてギャン泣きする母を、困った顔でしたいようにさせるリュート。

何とか星間戦争の危機は脱したようだ。

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