天神の系譜の奇妙なオムニバス
刀によって、鎖分銅が砕ける。

自由になった大典太を、沖田は横薙ぎに振った!

腹の皮一枚掠める程度に留め、後方に飛び退く伊蔵。

小さく舌打ちする。

「人斬りだの暗殺者だのというのはどうも…殺した数を勲章のように語っていけない」

俯き加減に呟く沖田。

「人殺しなんて、罪であり、咎であり、恥でしかないというのに。嬉々と語って、恥ずかしくないですか?」

「説教か。戊辰大戦で数多の人間を斬ったロクデナシの人斬り鬼が」

「……」

沖田は刀を構える。

「だからみっともなくて、勅使河原さんからもリュート君からも、目を逸らしてました」

「そうだろう!」

突っ掛けてくる伊蔵!

「貴様も俺と同じ穴の狢だからな!」

「そんな僕に…」

沖田は連続突きで、突っ込んでくる伊蔵を迎撃する!

「あの2人は、今更ながら人斬りなんてさせまいとするんです。もう穢れた手なのにね…滑稽でしょ?」

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