天神の系譜の奇妙なオムニバス
その少年には、目玉がひとつしかなかった。

古より日本に伝わる妖怪、一つ目小僧。

彼がきちんと正座して、文字の読み書きを教わっている。

その隣で、文字の書き方がよく分からないのか、一つ目小僧の書き取りを覗き込む少女。

彼女の首は長く長く、本来ならば有り得ないほどに伸びていた。

彼女もまた、日本に伝わる妖怪、ろくろ首。

この天神寺子屋には、人間ではないものが多くいる。

中にはそんな人間ではないものを指差して、侮辱や侮蔑の言葉を投げかける子供もいる。

しかし、そんな子供は。

「こぉら」

年長の少女が、丸めた新聞紙でポカンと叩くのだ。

「妖怪だったら何がいけないのさ?目が一個しかないだけ、首が長いだけだろ?人それぞれ、皆違うんだ。お前だって他の子と顔が違うだろ?それと一緒だ。悪く言うんじゃない」

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