【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「ねぇ、聞いてる?ちょっと、相馬?そ……」
「沙耶!もう、やめてあげて……っ……」
その声を聞き、横を見ると、なぜか全員、腹を抱えて笑っている。
「え?なんか、面白いことがありました?」
今の会話の中に、そんな要素はなかったと思うが。
「いや、何て言うか……」
「罪な子やなぁ……沙耶は……」
「兄さんがかわいそうになってきた……」
「おもしれぇ……ククッ、」
「確かに」
「鈍いのも、考えものですね」
口々に言う人たちを見て、首をかしげた私。
そんな私の服の裾を引っ張り、顔を伏せていた相馬が小さな声で言った。