【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「一人で大丈夫だから、お前は飯食ってな」
大丈夫じゃないのに、大丈夫だと言い張る甥。
「……どうしたんだろう」
心配そうな、沙耶は相馬の背中を心配そうに見る。
端から見れば、一目瞭然で両想いなのに。
すれ違っている。
こいつらは、何がしたいのか。
「……何か、父さんと母さんを思い出すね」
横で笑ったのは、笑顔は天使並みなのに、中身は俺よりも黒い双子の弟、陽向。
「え?誰がですか?」
そんな陽向の言葉に反応した沙耶は、首をかしげる。
「確か、千波さんと陽介さんでしたよね?相馬の祖父母様の……」
「まあね。僕たちと……今は、どこにいるのかな。相馬達の父親、春馬と家を継ぐことを拒んだ、裏家業である舞の力の伝承者、御園千華(ちか)の両親はそうだよ」
「え?じゃあ、総司さんと和子さんは……」
「僕たちの両親は、違うんですよ」
「えぇ?」
混乱している、沙耶。
どうやら、相馬は話していないらしい。