【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「ありがとう」
そう言って、笑うな。
俺は、最低なやつだから。
「沙耶……」
名前を呼んで、唇を奪う。
隙間がないくらいにくっついているのに、もっと、奥まで触れあいたいと望んでしまう。
(愛ってもんは……相変わらず、厄介だ)
キスをして、舌を絡めあったところで、隙間なく、抱き合ったところで、沙耶の心は手に入らないのに。
(愛してる)
俺は、伝えられない想いを行為に委ね、沙耶を貪った。