【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……私さ、生きたいんだ」
すると、沙耶は何かを決意したように、顔をあげた。
交わる、視線。
響きあう、二つの宿命。
異なる軌跡に、俺らは惹かれあう。
「相馬が傍にいてくれるから、生きたいって、思えるんだよ」
手放したくない。
自分を必要だといってくれる、この女を。
例え、泣かせることになったとしても。
手放したくない。
「……っ」
トロン、と、した瞳。
眠いのだと、わかった。
常に護り闘う強さ求め、
瞳閉じ背いても逃れえぬ宿命に、
涙に飾られた赤き血の宿命に、
俺達は苦しむ。
伝わる鼓動溶けゆき、いつしか、離れられなくなっていく。