【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「夏翠!」
飛鷹が、部屋に飛び込んできて。
「ひ、おう……?」
Tシャツが透けるほどに、汗だくで、飛鷹は髪を掻きあげると、私をそのまま、強く抱き締めた。
「無事で……っ、良かった……」
荒い、息。
なんで?
「夏翠、お前、どこにいたんだ?」
彼の雰囲気から、探し回っていてくれたんだと判る。
でも、私は何をしていたのか、説明ができなくて。
「……飛鷹」
彼に、甘えてしまう。
「何が、あった?」
訊ねられても、首を横に振ることしか出来なくて。
「何が起こっているんだ……沙耶も、襲われて……」
「え?」
聞き返すと、飛鷹はしまったと言うように、私から視線をそらす。