【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「さ、沙耶も、襲われたって……待って、どういうこと?ねぇ、私が何かしちゃった?敵って、何?また、記憶がないの!ねぇ!!飛鷹!私、怖い!」


分からない。


それが、とても怖くって。


飛鷹にしがみつくと、


「時間切れ、かな」


と、彼は呟く。


「お前に、隠し通すのも、俺が限界だ」


「隠し通すって、何!?薫も、相馬も、私に何を隠してるの!」


「……それは、」


「もう、誤魔化されたりしない!この際、全部、吐いてよ!」


躊躇うように、彼は視線を泳がせる。


(もう、誤魔化されるのは、嫌……)


「教えてよ!ねぇ!!」


「……っ」


今、聞かなければ。


じゃないと、また、誤魔化されることになる。


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