【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
『もしもしっ!兄さん!?』
敵から遠ざかったのか、ハッキリとした音声。
「大丈夫ですか、千歳」
『こっちよりも……飛鷹が!』
「飛鷹……?」
水樹たちが、その言葉ですぐに動く。
電話を掛けた先は、勿論、直樹さん。
「……っ、兄さん!飛鷹、記憶を思い出させて、全てを話してと言った夏翠を置いて、出てったらしい!夏翠はそのまま、意識を失って……」
「じゃあっ、まさかっ……」
澪の顔が、青ざめる。
「飛鷹が、千歳を逃がしたってこと!?それって……飛鷹が……っ!」
千歳は、時を操れる。
なら、飛鷹は?
飛鷹は……ただの、人間だ。
なら。