【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
■飛鷹side□



「目覚めたか……」


神々しい姿を見上げて、飛鷹は呟く。


「悪いの……そなたを助けたいと思う気持ちが、妾を呼び起こしてしもうた」


月姫は『白桜』を構えていた。


「すぐ、終わる」


言葉通り、傷はたちまち癒える。


彼女が治してくれた。……治癒の力で。


「……妾の恐怖は今も昔も、愛するものに嫌われること。愛してやっておくれ、夏翠が不安がらないように……一人にしないでやっておくれ……」


淡い笑み。


それに俺が頷くと、微笑んで、月の姫は姿を消した。


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