【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「―…それは、どういうことだ?」


一通りのことを話すと、低い、声を出した大兄ちゃん。

その横で、苛立ちに任せて、コップを投げそうな勇兄ちゃん。

そんな二人を困った様子で見ている、春ちゃん。


「相馬は、知らないの」


「…っ…!?」


「お前が、死ぬかもしれないのにか!?」


「ええ。居場所は言わずに、逃げてきたから」


そうするのが、一番良いのだ。


わかっていたから、そうした。


すると、勇兄ちゃんが唸るように言った。


「教えろ。相馬の居場所を」


「……教えてあげたら、相馬に何する?」


大体の想像はつく。


「殺ってくる」


想像通りと台詞を吐き、動く勇兄ちゃん。


それに無言で続こうとする大兄ちゃん。


そんな二人を止めるべきか、悩んでいる春ちゃんは私の方を見てくる。
< 371 / 759 >

この作品をシェア

pagetop