【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「―…それは、どういうことだ?」
一通りのことを話すと、低い、声を出した大兄ちゃん。
その横で、苛立ちに任せて、コップを投げそうな勇兄ちゃん。
そんな二人を困った様子で見ている、春ちゃん。
「相馬は、知らないの」
「…っ…!?」
「お前が、死ぬかもしれないのにか!?」
「ええ。居場所は言わずに、逃げてきたから」
そうするのが、一番良いのだ。
わかっていたから、そうした。
すると、勇兄ちゃんが唸るように言った。
「教えろ。相馬の居場所を」
「……教えてあげたら、相馬に何する?」
大体の想像はつく。
「殺ってくる」
想像通りと台詞を吐き、動く勇兄ちゃん。
それに無言で続こうとする大兄ちゃん。
そんな二人を止めるべきか、悩んでいる春ちゃんは私の方を見てくる。