【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「ありがとう。お兄ちゃん、大好き」
それは、心からの言葉で。
残酷な言葉だと、わかっていた。
でも、言いたかった。
愛してくれるぶん、私も、彼らを愛してるって。
「良かったねぇ、優しいお兄ちゃん達で」
春ちゃんは私の頭を撫でると、大兄ちゃんの手を引っ張った。
「……戦いたいのなら、行ってきんさいな」
大兄ちゃんの背中を叩く。
「前を向く……それが大事、でしょう?」
朝陽の教えを口にして、春ちゃんは
「胸を張んな!私の幼馴染みは格好いいはず!」
と、大兄ちゃんを励ます。
この二人の関係は、本当に変わることはなく。
「ねぇ、大兄ちゃん」
「ん?」
だからこそ、私のあとを託せるんだ。
大兄ちゃんが口に出さなくても、春ちゃんは大兄ちゃんのすべてをわかっている。
だからこそ。
「あと、ひとつだけ、お願いが……」
私がそれを口にすると、全員、目を見開いた。