【完】☆真実の“愛”―君だけを―2


「…………お帰り」


顔を合わせること無いまま、呟けば。


「ごめん、ごめんな……兄さん……」


心優しい、かつての弟の声が聞こえて。


「こんな、つもりじゃなかったんだ……俺にもっと、力があれば……」


弟は、追い詰めた顔をしていた。


そして。


「お兄ちゃん、春兄に手を出さないでね」


妹は、俺のことを睨んでいた。


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