【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
今日、第一夫人が妊娠したことがわかった。
いい気分だ。
これでしばらくは、跡継ぎという言葉で悩まされず、一人でぐっすり眠ることができる。
何より、あの女に触れなくて良いというところが良い。
何故なら、目の前に無防備な女が差し出されたら、愛していなくても抱けるのが厄介なことに男だが、どうしても、第一夫人には欲情しなかった。
触れるのが、嫌だ。
汚い、汚い女に触れる趣味はない。