【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「………え、子供?」
信じ、られなかった。
信じたくなかった。
生まないで、と、言いたかった。
でも、家のために生んでもほしかった。
どれが正解なのか、わからなくて。
俺は、壊れかけた。
けど、そんなときに助けてくれたのが、兄さん達や千華だった。
結局、俺は16歳で子持ちとなる。
和子は、20歳だった。
そして、夜、一緒になった部屋で、彼女は笑うんだ。
「これで、一杯、愛し合えるね」
って、子供みたいに、無邪気に……俺は、その、無邪気な笑顔が死ぬほど、怖かった。
和子への愛なんて、薬を盛られた日に終わっていた。
俺は、部屋を飛び出した。
逃げて、逃げて、………たどり着いたのは、自分の息子が眠る部屋。