【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
■春馬side□



愛する人を手に入れた、俺の罪の証の五人の子供は表向きは、真っ直ぐに育っていた。


愛のお陰で、家の闇に呑み込まれることなく、ただ、普通の人間として生きることができていた。


でも、相馬だけは違う。


親の愛というものを失ったあと、一度、呑み込まれてしまったから……今だって、簡単に闇に堕ちてしまうのだ。


堕ちる=自身の崩壊に繋がる。


それによって、和子も滅んだ。


経験したらわかることだが、闇に堕ちると、何もかもがどうでも良くなり、何もかもを捨てて、逃げたくなる。


無性にイラついてしまったり、すべてを諦めてしまったり、夢を語る人間が憎らしく、殺してしまいそうになったり。


幸い、相馬にはそんなことはなかった。


代わりに、女を嫌った。


とことん嫌った。


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