【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「じゃあ、ちょっと診るね」
脈とか診る限り、通常の人間と変わらない。
さっきから呼吸が浅いのは、何か、沙耶ちゃんの身に合ったからだろう。
それも、精神世界で。
だって、肉体はここにあるのだから。
「…………時間を、置いてみようか」
確信があった。
沙耶ちゃんは死なない、と。
でも、息苦しそうに苦しむ沙耶ちゃんと、それを震える手で抱き締める二人を救う術は、今の僕にはなくて。
「春兄さん、ちょっと来て」
僕は、春馬と共に静かに病室を出た。
心優しい兄同然の彼の顔は、悲しそうに歪んでいて。