【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
あの日に、家を尋ねてきた黒服のせいだろう。
そして、その黒服を動かした、藤島雷紀がすべての引き金。
そう考えると、容易い。
沙耶ちゃんはもとから心臓は、通常よりは弱い子だ。
他の症状の原因はわからずとも、そこだけはハッキリとしていた。
だから、生まれてすぐは、暫く様子を見ていたんだ。
沙耶ちゃんの母親であるユイラさんも、中々に問題のある人だったから。
「相馬、支えててね」
前、体育祭の途中で倒れ、運ばれてきたときは恐らく、心臓の方による発作だったけど、成長する度に薬などのお陰で、もとから症状が軽くなっていった沙耶ちゃんは運動しても、滅多に症状が現れることはなかった。
あの時は、風邪気味だったのに、水分もとらず、馬鹿みたいな量の競技に参加したせいで、ぶっ倒れたと言った方が正しい。
そのせいで、発作を起こしたと。
けど、沙耶ちゃんが、五歳の頃のものは違う。
あれは、過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)と呼ばれるもので、心身的・心理的なストレスをきっかけに浅く早い呼吸となり、息苦しい症状が現れるものだ。
息苦しさのほかには手足のしびれ、ひどい場合は意識がなくなることもあり、最近の沙耶ちゃんはそんな感じでストレスの溜まるような、不安の多い日々を孤独に過ごしていた。
恐らく、五歳の時だって、現れた黒服に怯えたか、はたまた、何かをされたのだろう。
そのせいで、発作を起こし……後悔を残した。