【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……俺が、何をしても……」
「うん」
「……お前は、苦しまないか?」
「…………なんで、相馬がやることで傷つくのよ?私を巻き込むことなの?」
「……お前に、人生を懸けさせる」
「……」
沙耶の、息を呑む音が聞こえた。
そして、沙耶は俺の腕に手をかける。
「……私は、懸けるよ」
今度は、俺が息を呑む番だった。
「私はここで死んでいた運命だった。相馬が血をくれなければ、私を嘘でも愛してくれなければ、私はここにいなかった。双子を授かることはなかった。だから、私にできることはなんでもする。相馬のために、この命を使うことに私は躊躇いはない」
沙耶は、綺麗だ。
闇に染まる姿も、何もかも。