【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
□沙耶side■



苦しいこととか、そんなものはすべて、その人の気持ちによるもの。


幸せだって、同じ。


自分がその事についてどう感じるかは、自分の気持ちだから……誰の意志も通さない、不可侵の場所……


「私の名前は、藤島多喜子。戸籍上は、藤島雷紀の妹です」


目の前で、大叔母は語る。


血の繋がりはないのだから、大叔母と言っても良いのか悩むところだけど……まぁ、いいだろう。


「話は、あなた達のひいお祖父様まで、遡るわ――……」


多喜子さんの口から語られる、全て。


力なく、座り込む、お祖父様に寄り添って。


「時は、今から、約90年前……大正15年、昭和元年にあなた達のひいお祖父様――藤島紀一はお生まれになったの」


< 694 / 759 >

この作品をシェア

pagetop