【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
私と秀の出会いは、何て言うか……あれだった。
『もしもし、お姉さん、大丈夫?』
発作を起こし、蹲っていたとき、彼に出会ったんだ。
最悪にも、周囲に人がいない時間帯で。
彼が水とかをくれなければ、病院送りだったかもしれない高一の秋。
まだ、相馬と出逢う前の話である。
ちゃんとした受け答えから、年を考えてみたこともあったのだが、何せ、あのときは視界が狭くなっていたもんだから、把握できなかった。
気づいたときには、家にいて。
手には、秀の電話番号の書いてある紙があった。
それにお礼のため、掛けると……
どうやら、情報屋らしく。
父もそっちの筋があるから、ぶっちゃけ、彼は必要はなかったが、仕事を懇願されて……つい……他愛もないことを任せれば、情報は正確で、完璧。
それからは定期的に利用していた。
そして、もっと驚くべきことに、彼はお金を要求しなかった。
なんの見返りも望んでおらず、頼まれることを生き甲斐としていた。
だから、余計に頼んでいたのだが。