【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「僕の両親、海外を飛び回っている人なんですよ。だから、家にもあまり、帰ってこなくて。三人暮らし……もとい、二人暮らしです。嶺兄さんが帰ってこないから」
「有名俳優だもんな……。真琴さんが話してた」
そういえば、飛鷹の姉である、真琴さんは超人気モデル兼女優のMAKOTOだったことを思い出す。
「そうなんですよ。真琴さん、今回、映画で兄さんと共演してて……変な気分でした!」
「え、なんで?」
有名なんだから、共演ぐらいするだろうに……
「いや、秀は異常だぞ」
「え……?」
なんの話なのかわからず、どうして、共演していたのが変な気分だったのか、なんて、それすらも把握でき……
「こいつ、陛下の信者なんだよ」
「…………え?」
た。
……理解、できました。
相馬の一言で理解できるのもあれだが、『陛下』という単語が出た瞬間、秀の目が光った。