【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「……もしかして、俳優の、か?」
業界関係なら、全部のトップクラスに入っている御園家の当主。
相馬は、チラリと秀を見た。
「そうです。その人です」
「だいぶ、年の離れているんだな……瑛醒、じゃなかった……瀧とも離れてるだろ?」
「瀧兄さんは、20歳ですよ。嶺兄さんは、28です」
「……離れすぎじゃね?」
それは、私も思った。
20歳に、小学六年の弟……?
「8歳差……?嶺さんとは、16歳……」
「ね、嶺兄さんの子供って言っても、通りますよ」
ドヤッとする秀。
「……まぁ、お前みたいな異常な天才人間は息子にいらんって、言われたんですけど」
「言われたのかよ!意外に毒舌だな!」
「まぁ、天才って言われるのは慣れてますし。別に、好きでこうなった訳じゃないんですけどねぇ~」
「勉強しねぇと、なれねぇがな!」
それは、私も思うが……
「そう言いますけど、相馬さんだって、全国模試一位でしょ?凄いじゃないですか」
その通りだ。
相馬には、言われたくない。
「あんなもん、遊戯にすぎねぇよ!」
さらっと、喧嘩口調で言い返した相馬。
100%、間違いなく。
「……相馬、あんた今、この国中で頑張っている人たちを敵に回したよ?」
そう言ってやると、彼は首をかしげた。
「なんでだよ?」
はい。
この人には、常識と言うものがありませんでしたー
「……なんか、もう、いいや」
秀にも、相馬にも、頭の良い人間はどこか、ネジがぶっとんでると思っていたほうが良い。