【完】☆真実の“愛”―君だけを―2
「風斗、本当はAクラスだもんねぇ……あ、私は、Bクラスの3番ね。薫はどうだったっけ?学校サボってたし、私、分からないんだけど」
そんな、光輝よりもすごい人間の澪が呟いた。
「風斗、本来はAなの?」
「まぁ……でも、家の都合でな」
「な、なるほど。……薫は?」
「……Aクラスの1番」
一クラスの人数は、34人に定められているらしいから……つまり、薫は高等部2年の238人の中で、35番ということ。
医者の息子や、大臣の息子、音楽家、芸能人……その他諸々の人の中で、その成績は異常である。
「……ってか、あんたたちより、頭良い人間っているんだね……いや、当たり前か」
異常であるが、この学校……否、この国で1番の家は、姫宮、御園、焔棠辺りだと思っていたので、若干、薫の順位には驚く。
「……俺、授業出ずに、テストだけを受けてたからな。相馬が範囲を教えてくれてたし。出る意味もあまり、なかったし。桜の傍にいることが多かったから……」
つまりは、授業点数を差っ引かれた上での、その成績かい。
頭の構造が見てみたい。
兄貴たちよりも異常の存在が面白くて、そんなことを考えていると。
「年が違うけど、相模と甲斐と千歳はSクラスだよん」
のんびりと、旦那がダーイ好きな、澪が言った。
そう言われ、思わず、千歳を見る。
千歳は、苦笑して。