偽装新婚~イジワル御曹司の偏愛からは逃げられない~
おまけ 美香による考察
私の名前は前澤美香、24歳。花園商事の受付嬢。アイドル系のルックスで『社内お嫁さんにしたい女の子ランキング』第三位の人気を誇る。(ちなみに一位、二位は正統派女優系とモデル系。アイドルは所詮、このあたりには敵わない)

良い意味でも悪い意味でも、女子度の高さでは誰にも負けないと自負している。

特技は三歳から習っていたピアノとバレエ。高校時代はサッカー部の女子マネ、短大時代はテニスサークル所属。
最近はまっていることはお菓子作りとボルダリング(ヨガとかより実は男受けがいいことはリサーチ済み)

そんな私の別名は恋愛マスター。狙った男は十中八九、落としてきた。
目下の目標は『さっさといい男をゲットして、優雅な専業主婦になること』だ。

昼どきのカフェは、私たちと同じようなOLのグループで盛況だった。

「ねぇ、ねぇ。さっき来てた河野建設の人、ちょっとかっこよくなかった?」
「あぁ。あの人、毎月来てるよ。たしか、神田部長のお客様じゃないかな」

私は手にしていたアイスコーヒーのグラスを置くと、ふふっと勝ち誇った笑みでふたりを見た。
「彼の名前は井野翔太。入社5年目だから、まだ20代ね。趣味は草野球の、さわやかスポーツマン。河野建設の平均年収は700万弱だから、将来性もバッチリ。あ、年収は一千万以上とか高望みしてると、すぐにアラフォーになっちゃうから要注意よ。20代で年収一千万なんて、砂漠で砂金粒見つけるようなもんだからね」
私の情報量に、ふたりは無言でうなずくばかりだ。








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