好きだなんて言えません
嘘つき
しばらく歩いて着いたのは
アイス屋さん
ではなく、ソフトクリーム専門店
「こんなとこあったんだ…」
初めてくるところで何年も住んでいるのに知らないことだらけだと思った
「俺の知り合いがやってるお店なんだ
日和ソフトクリーム好きだって行ってたから今度連れてこようと思ってた」
数日前のしかもどうでもいい会話をきちんと
覚えている颯はやっぱり気が使える人だ
「…詳しいんだねここら辺」
転校してきたばかりなのに
まあ、知り合いのお店だからかもしれないけど
「よく来るよこの辺
俺の家から一駅だしね。」
え、じゃあ転校してきた理由って?
私の疑問を感じ取ったのか
笑顔で答えてくれた
お店を指差して
「その話は長くなるからとりあえず中入ろっか」
「うん」