恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。
「でも私……今は雅臣先輩のような優しい人になりたいって思ってます」
「俺……みたいに?」
「夢とは違うかもしれないけど、私はいつも雅臣先輩ならどうするかなって考えてるんです」
私の中に君がいる。
私が私らしくいられるのは、雅臣先輩のおかげだ。
まだ決められた将来については、答えが出ていない。
けれど、中学生の時のように加入届けを持って迷子になっていた時の心細さはない。
隣に、この心に、雅臣先輩がいてくれるからなんだろう。
「私は……あなたみたいに優しくて強くて……誰かの陽だまりになれるような人になりたいんです」
雅臣先輩はみるみると目を見開いて、フッと笑う。
オレンジの光を浴びているからか、彼の存在はその柔らかさを増して見えた。
「……そっか、ふんわりだけど、なりたい自分を見つけられたんだな」
「これも、雅臣先輩のおかげです」
私は感謝を込めて、笑いかけた。
しかし、雅臣先輩は痛みを堪らえるように顔を歪め、それでも無理やり笑おうとする。
まただ、雅臣先輩の中にある影が顔を出した。
雅臣先輩、どうしてそんな辛そうな顔をするんだろう。
歪な形に出来上がった彼の顔は、痛々しかった。