恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。


しかも雅臣先輩は、私と同じ高校の制服をちゃんと着ているのだ。

うちの高校の制服は、灰色ブレザーに白いワイシャツ、ネイビーのズボンだ。

ネクタイは自由だから、男子でつけている人は少ない。

でも改めて雅臣先輩の制服を見てみると、ズボンのネイビーがわずかに明るい。

──え、どうして?

私は信じられない思いで、彼のズボンを凝視する。


「あの、私は楓高校なんですけど……」


雅臣先輩もそうだよね?

そんな願いを込めて彼に尋ねると、どこか納得した様子で「あぁ!」と嬉しそうな声を上げた。


「楓高校か! 女子の制服は見た事がないから、気づかなかったよ。俺は東青葉(ひがしあおば)高校だ」

「……え?」


今、雅臣先輩なんて……?

東青葉高校に通ってるって、意味わかんないよ。

だって、目の前にいるのは雅臣先輩だ。

そう思った瞬間、ふと脳裏に蘇る二文字。

──『景臣』。

確か、小町先生は雅臣先輩をそう呼んだ。

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