恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。


「もう、嫌だ……っ」


私は体育座りをして、膝の間に顔を埋めた。

そうやって、しばらく雨の音を聞いていた。

雨の音を聞くと、ざわめいていた心が静まる気がしたから。

どれくらいそうしてただろう。

ザーザーと降りしきる雨音の中に、ザクザクと土を踏む音が混じったのがわかった。


だけど私は顔を上げなかった。

人に見られようが、学校に行かない事を咎められようが、今は全てがどうでもよかった。

現実を否定するように、閉ざされた視界の中、真っ暗な世界に逃げる。

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