恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。
「ただ……滅びても生きてさえいれば、人間はいつでも返り咲くことができると思っている」
雅臣先輩は私の頭に手を乗せながら、優しい声色でまだ見ぬ可能性を示してくれる。
もし、決められた人生をすべて捨てて、親からの信頼をなくしたとしても。
生きてさえいれば、私はまた立ち直ることができるのだろうか。
「むしろ新たな自分を見つけられる、いいきっかけだったのかもしれないな」
「新たな自分を見つける、きっかけか……」
雅臣先輩の言葉に、在田先輩は眉根を寄せて考え込んでいるようだった。
ややあって、在田先輩は何かを振り返るように天井を仰ぐ。