恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。
「でも俺、古典とかよくわかんねーし、興味もその……」
あ……業吉先輩、昔の私と同じこと言ってる。
あのとき私も、古典に興味がなくて同じことを雅臣先輩に言ったんだよね。
それを思い出しながら、クスリと笑ってしまった。
「部員になってくれるなら、そのままの業吉でいいぞ」
涙目の在田先輩の肩をポンポンと叩いて言った雅臣先輩の言葉は、まるであの日を再現しているかのようだった。
あぁ、なにもかもあの時と同じ。
やっぱりこの人は、昔も今も変わらずに陽だまりのようだ。
だから私も彼と同じように笑顔で、在田先輩に言うことにする。
「廃部寸前なんですよ、この部活! だから、入部してくれるなら猫の手も借りたいくらいなんですよね、雅臣先輩?」
私はそう言って、雅臣先輩に意地悪に笑って見せた。すると彼は、また「たはは」と困ったように笑う。
「まぁ、そういう事だ。それに……」
この後の言葉は、私にも予知できる。
だから、ふわりと笑って先回りするように言った。