未来
「あ、教科書忘れちゃった」

と未来がつぶやいた一言
俺はそれも聞き逃さなかった

「貸すよ」

ドキドキして簡単な言葉しか出てこなかった

「ううん、それじゃ悠くんが見えないでしょ」

しかし、断られてしまって俺はどうしたらいいのかと硬直した

「だから、見せてもらってもいいかな。机、ひっつけて」

未来の一言は何よりもうれしかった
そのあとの国語は全く集中できなかった
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