好きの海に溺れそう
むかつく…。



何あの態度!



昔からそうだよね、イライラして意地になって絶対主張曲げずに一方的にどっか行くの!



でも…。



杏光がテーブルの上に置いていったコップ。



まだ少しお茶が入ってる。



このコップは、俺のためにって作ってくれたコップ…。



『特別感』かあ…。



確かに、付き合ってはじめてのクリスマスだ。



今まで、幼なじみとしてクリスマスに一緒にいたことはある。



だけど、恋人としては、当然ない。



しかも、ここ数年は杏光は今までの彼氏と過ごすことが多くて…。



最後に一緒にクリスマス過ごしたの、いつだろう…?



杏光の昔の彼氏のことを思い出すと物凄く嫌な気持ちになるから今は忘れるとして、今年のクリスマスって、俺たちにとって特別なものなのかもしれない…。



コップのお茶を飲み干してからキッチンで洗って、パソコンの前に座る。



まだ、泊まるところあるかな…?



旅行サイトを色々と見ているうちに、さっきまで喧嘩してたことはすっかり忘れてしまってた。
< 119 / 350 >

この作品をシェア

pagetop