好きの海に溺れそう
たまには日夏もかわいいじゃん。



「ヒナノちゃんに聞けばいいのに。あの子デートマスターでしょ?」



日夏の妹、ヒナノちゃんは日夏と違ってすごく恋に積極的。



たぶん今までできた彼氏の数はあたしよりも多い…。



「絶対バカにされるからあいつだけには知られたくないの!むり!」



むりって…。



「ってことで、ヒナノから何か聞かれたら適当にごまかしといて」

「別にいいけど…。じゃあまずクローゼット開けるよ」

「うん」



日夏のファッションは基本的ににスポーティー。



日夏に今更女の子らしいデートっぽい服を着せても似合うと思えないので、素材を活かそう。



「ていうか明日、何時にどこ行くの」

「あたしが見たい映画があるって言ったら誘われたから、10時で映画」



映画だったら寒くてもヒールでも大丈夫か…。



「変にデートらしい服着なくても、歩ならいつも通りでいいと思うよ」



日夏元からセンスいいし。



うん、服は任せよう。



「メイクはあたしが明日の朝やってあげる」



よし、これでOK!



そして迎えた次の日。



カジュアルでお洒落な日夏が選んだ服。



やっぱセンスいい!



あたしはそれに合わせて日夏にメイク。



濃い赤のリップつけちゃおう。



絶対似合うと思うんだ。



「万が一チューすることになったら付けたばっかりのときしないように気をつけてね」

「しないし」



まあ日夏の性格的にしないだろうけど…。



「あと、ちゃんと塗り直してね? 貸すから」

「ありがと…」

「ん、頑張ってき名!」



完全に仕度のととのった日夏を家から送り出した。



日夏がんばれ~。



日夏を送り出したら急に海琉を思い出した。



昨日の自分を考えたら確かに自分勝手で自己嫌悪…。
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