好きの海に溺れそう
「何か奢るから。お願い!」

「ん~…、荷物持ちはしないよ?」



そう言ったら顔をぱぁっと輝かせた。



可愛いな、おい…。



「何買いたいの?」

「好きな子がもうすぐ誕生日だから、そのプレゼント」



ぐはっっ!



何その純粋さっ!



「好きな子いたんだ~。付き合ってんの?」



そう言ったら、恥ずかしそうに首を横に振った。



やっべ…。すっげえ可愛いんですけど!



「で、何を買うかあたしに選べと?」

「うん。ていうかどんなのがいいか教えてくれないかなと…。杏光センスいいし」

「そうっすか」

「そうっすよ?」



あたしは勇ましい性格してるし、海琉は弱々しい。



あたし達は正反対だ。



「じゃあ行こっか」

「うん!」



こいつ、本当に高校一年生…?



幼稚園生にしか見えないのですが。



リビングに行ったら、弟の悠麗(ユウラ)と従姉妹の玖麗(クレイ)がいた。



悠麗はイケメンを地で行く高校一年生。



頭も良いし強くて、自分でも自慢の弟だ。



玖麗は超が着く程の美少女で、陶器みたいな肌。



性格は、おっとりしてるとても良い子だ。



悠麗と玖麗は二人とも海琉と同じ年で、二人は同じ学校。



そして、海琉と玖麗も幼なじみ。



あたし達は昔から4人で1セットだった。



あたしと海琉は同じマンションで隣同士に住んでいる。



玖麗の家は、ここから少しだけ離れてる一軒家だ。
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