糖度高めな秘密の密会はいかが?
心臓が跳ね上がったのは腕を掴まれたからだけではなく、この表情を見たからかもしれない。

職場では表情一つ変えずに平然と仕事をしているようなイメージだったので、私は動揺を隠せないでいた。

早く立ち去りたくて、逃げる様に化粧室へと向かう。

香坂君と会うにはまだ時間もありそうだし、ゆっくり化粧直しをしながら動揺を静めよう───・・・・・・

゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚ .゚*。:゚

香坂君から仕事終了の連絡を貰い、私達はカフェ近くのバーの前で待ち合わせをしていた。

街中はハロウィンの装飾で着飾られているが、一週間後にはクリスマスの装飾へと変貌するだろう。

私の前を通り過ぎて行く手を繋いで幸せそうな彼氏彼女、ハロウィンパーティの帰りなのか、頭にお揃いの悪魔のツノを生やしている彼氏彼女、音楽を聞きながら歩く青年、仕事帰りのオジサン・・・・・・

様々な人達が通り過ぎて行くのを見ながら、私は待っていた。

「…お待たせっ、ゆかりちゃん」

遠くから見ていても分かる位の早歩きで来てくれた香坂君は、若干だけれども息が上がってるように思えた。

「日頃の運動不足が祟ったね…ちょっと疲れたぁっ」

そう言って笑い飛ばす香坂君は、何とも言えない位に可愛らしい。

「お疲れ様、香坂君。ごめんね、急がせてしまって……。ちゃんと待ってるから、今度からはゆっくりで大丈夫だからね?」

言った後に気付いたのだけれども、私は余計な一言を発していた様だ。

「今度も…って、俺はこれから先もこうして会えたら嬉しいです」
< 9 / 216 >

この作品をシェア

pagetop