糖度高めな秘密の密会はいかが?
「もちろん、大好きだからっ!!」
「お待たせしました、グラスビールです」

大好き発言をしたと同時にグラスビールを運んで来たのは、運が悪くも香坂君だった。

私は咄嗟の事に香坂君の顔を見てしまったが、耳まで火照りを感じる位に赤面して酷い顔だったと思う。

香坂君は、そんな私に向けて笑顔を残し、私達の前を去った。

まさかの自分が当事者だなんて香坂君は思わなかっただろうし、聞こえてなかったかもしれないけれど、私には凄く恥ずかしかった。

「わ、私はもう帰るからごゆっくり!!」

この場を立ち去りたい一瞬で伝票を持ち去り、帰り逃げしようとした時に左腕を掴まれた。

「…っ」

咄嗟に腕を掴まれ、驚いてドクンッと心臓が跳ね上がった。

「…伝票置いてって。俺が払うから!」

「結構です!!」

腕を振り払い、足早に会計へと向かった。

何なの、今の表情───・・・・・・

会計をしながらも思い出してしまったのは、真っ直ぐに私だけを見ているような瞳に、今まで見た事がない寂しそうな表情。
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