俺がずっと守るから
「あの…、李樹?」
とりあえずこの沈黙が何処か気まずくて、名前を呼んでみる。
「…、こういう時に名前で呼ばないでくださいよ」
「え、あ、ごめん」
が、どうやらそれは失敗してしまったらしかった。
…李樹がこっちを見てくれない。
「李樹…」
何だか寂しくなって小さく名前を呼べば、「あーもう」と小さな呟きが聞こえてきた。
パッと急に目が合って、ドクンと胸が高鳴る。
「すごく綺麗です。綺麗すぎて直視出来ないんで、勘弁してください…」
「…っ!!」
そう言う李樹の耳は心なしか赤くて。
「ありがとう…っ」
「…とりあえず、会場戻りますよ」
やっぱりふいっと逸らされてしまう視線に、今はそれが嬉しくて仕方なかった。