私が行かないでって言ったら、君はここにいてくれますか?
いやいや、帰れないよ。



志帆のお母さんに頼まれたんだから。



「大丈夫だよ。今日はここにいる。・・・・1人でなれない所にいるのって不安だろ?だから、ここにいるよ。あっ!でも、俺、汗臭いかも。」




部活からそのまま来たから、制汗剤しか付けてない。



すると志帆はあははって笑ってこっちを見た。



「大丈夫。気にしないよ。・・・ありがとう。弘人。」




「おぅ。じゃあもう寝ろよ。疲れるから。」




「うん。おやすみ。」



「おやすみ。」



志帆が横になると、俺は布団をかけて椅子に座った。



布団から出ていた志帆の左手を優しく握る。



すると志帆がその手を握り返した。



そしてそのまま、一定の寝息をたてて寝始めた。



それを確認して俺も目を閉じる。



誰かの温もりを感じて寝るのは久しぶりだった。



色々ありすぎて、なんて言ったらいいか分からないけど、志帆を守りたい。



それだけだったと思う。



だから、これからも友達でもなんでもいいから志帆を支えたいって改めて思った。



志帆、




俺の前からいなくならないでくれてありがとう。



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