紳士的?その言葉、似合いません!



そんなことを考えていたからだろうか。噂(は正確にはしてなかったけど)をすればなんとやら、仕事が終わってさっさと家に帰ろうとすればパシリと後ろから手を取られて振り返る。直後、後悔した。


そして現在。



「さて、どこに行きましょうかねぇ」



どこにも行かなくていいです家に帰らせてください切実に。


口から出そうになった本音をともすれば出そうになる罵倒と共に飲み込み、代わりとばかりに深いため息を吐き出した。


簡潔に言おう。仕事終わり手を取られて振り返った先にいたのは麗しい笑みを浮かべた変た…都築さん。


何をするんですかとこちらもニッコリと笑顔で対応すれば食事に行きましょうと言われ断るもののあれよあれよと連れ出された。何故だ。解せぬ。


しかもその間の攻防はあろうことか人目のある廊下でしていた。度重なる悩みの種にそこまで頭が回らなかったので落ち度はわたしにもある。認めます。もちろん注目度バッチリでしたともえぇ。


最終的には「食事ぐらい一緒に行ってあげなよ。婚約者でしょう?照れてるの?」と皆さま方から非難の眼差しをいただいたのでわたしが折れた。


都築さんには同情と哀れみの眼差しが向けられていたがそれ絶対わたしに向けられてしかるべきだと思う。




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