紳士的?その言葉、似合いません!
他人事のように都築さんどうするんだろう、そして元彼どうなるんだろうと考えていたけどおもむろにスマホを出した都築さんに首を傾げる。そしてそのまま。
「もしもし、警察ですか?ここに変出者がいるのですがどうすれば良いでしょうか」
思わずギョッとしたのは元彼だけではない。都築さん、どこに電話してるんですか。
「は、はぁ?!ふざけんなよっ、」
「おや、心外ですね。こんな夜遅く道の真ん中で私の愛する婚約者を捕まえて無理やり体の関係を持とうとした挙句、いかがわしいことを叫んでいるのですから国家権力に助けを求めるのは市民の権利です」
無表情で淡々と説明する都築さんに元彼の顔から血の気が引く。ここで気づくとは鈍いにもほどがある。
元彼が思っているよりも都築さんはずっと怒っていたのだ。
「さて、最近の警察は優秀ですからねぇ。どのぐらいで来るか賭けでもしましょうか?」
うっとりと見とれてしまいそうな美麗な笑みを浮かべた都築さんがこの場では恐ろしい。ますます顔を青くした元彼は情けない声を上げながら逃げた。
一気に静かになった道の真ん中で依然抱きしめられたままのわたし。……いや、どうしろと?