紳士的?その言葉、似合いません!
しばらくはだんまりを決め込んでいたわたしだったけどさすがにこの沈黙はキツいものがある。心なしか空気重いし。
「あの、都築さん…?」
とにかくこの体勢をどうにかしてくれないですかね?と声をかければ無言のまま手を引かれて「うわっ」と声を上げてしまった。
何か一言物申そうかとも思ったけど表情のない都築さんに何か言えるわけもなく困惑しながらもこちらも無言のまま連れられて着いたのはすでに何回も来ている都築さんの家。
玄関の扉を開けてさっさと靴を脱ぎ奥に進もうとする都築さんに焦る。
「ちょっ、わたし靴、」
脱げてないんですけど?!土足で上がるほどわたし失礼な人間じゃないし礼節守ってるつもりですけど!
にも関わらずグイグイ引っ張る都築さんにカチンときて手を振り払おうとするがわたしがこの人に力で叶うわけもなく。それでも腕を振り回していれば舌打ちとともに体が抱き上げられた。
うっ、といきなり呼吸が苦しくなる。抱き上げられたなんて言ってるけどこれ俵担ぎだし!というかそれ今やめて!お腹が!赤ちゃんが…!
幸いにもすぐに降ろされたのでよかったもののこれで何か赤ちゃんに影響があったら末代まで呪ってやる…!!