男装して共学校へ!
「担任の白石だよろしくな」

「よろしくお願いします」

先生の自己紹介を聞きながら今歩いている渡り廊下の外に目を向けると遠くに海が見えた。

「ここからでも海が見えるんですね」

「あぁ、海は初めてか。お前の故郷は海がなかったな」

「はい、だから嬉しいです」

「そりゃよかったよかった、放課後にでも遊びに行ってきな」

「そうですね」

「そういえば、男子寮への引越しはすんだんか?すんでないならクラスのやつ何人か寄越してやるぞ」

「いえ、一人でできますから」

「そうかい、着いたぞここが君のクラスだ」

先生は2年3組の前で止まると教室のドアを開けた。

「はーい、席ついてー転校生紹介するぞー」

先生の言葉にクラスの中はざわつきが増した。

先生に手招きされて、私は教室の中へ入った。

私立校なだけあって黒板ではなくホワイトボード、机や椅子は奥に行くほど高くなって、階段状になっている。

教室の創りに圧倒されてると教室の中のざわつきに意識が戻された。

特に女子が騒いでいる。

期待を裏切って悪いが私は女だ。

「今日からこのクラスに転入する倉橋奏くんだ。みんな仲良くな」
< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop