最後の恋 【番外編: 礼央目線】
紫乃との関係は高校生になっても、ずっとキス止まりだった。


自分の中では、まだその先に進むのは早いと思っていた。


だけど、あいつはそうじゃなかった。


既に付き合ってから半年以上が過ぎていた。


いつまで経ってもキス以上を求めない俺に不安を感じていたのかもしれない。


そのキスさえも自分から仕掛ける事はほとんどなかった。


紫乃だって初めてのはずなのに、情けなくも俺のほうが逆にリードされる形になってしまった。


「礼央…好き。大好きだよ…礼央は…?」


俺の目をまっすぐに見上げた紫乃の声が俺の気持ちを探るように揺れた。


その言葉に


「俺も…」


そう答えたその瞬間、頭をかすめたのはなぜか出会ったばかりの図書委員の彼女の顔だった。
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